エア・インディアのニューデリー・テルアビブ間の定期便が新規開設され、3月22日の午後6時、第一便がニューデリーを飛び立つとのことである。この便はサウジアラビア上空の通過を許可された模様で、イスラエル発着便がサウジの上空通過を許可されるのは初めてのことである。サウジを間に挟むインドとイスラエルの間の民間航空機は、これまで大幅な南方に迂回し、紅海からエチオピアを飛んでイスラエルと行き来することを迫られていた。

国交のないイスラエルとサウジの、水面下での接近を物語る出来事である。

"First Air India Flight to Israel, Overflying Saudi Arabia, Takes Off Today," Haaretz, March 22, 2018.

2月にこの件が浮上した時に、下記の記事を掲載しておいた。この時はすぐにサウジが否定していたのだが、予想通りというべきか、表向きは否定して当座の報道による紛糾を回避しながら、水面下では事務的に進め、当たり前のように現実化している。3月5日にイスラエルのネタニヤフ首相が、上空通過にサウジが許可を出した、と公言した時は、サウジは音無しの構えだった。

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