サウジとトルコの関係が冷却化

執筆者:池内恵2018年3月22日

サウジアラビアのムハンマド皇太子は、3月4日から22日にかけての「グランド・ツアー」の最初の目的地のエジプトで、各方面に向けて発言し、盛んに報じられたが、興味深いのは、トルコ批判の発言である。

3月6日、ムハンマド皇太子はエジプトのメディアの編集長を集めた会見で、トルコを「悪の枢軸」の一部として非難した。

"Saudi prince says Turkey part of 'triangle of evil': Egyptian media," Reuters, March 7, 2018.

サウジアラビアは、UAEと共に、ムスリム同胞団系の諸勢力を支援しているとして、カタールを激しく叩いているが、カタールを支援するトルコについては直接、表面的には対立を避けていた。大国トルコとの関係悪化は、対イラン関係でも不利になりかねない。サウジからはトルコを制裁しようにも、手段に乏しい。

しかしこの会見ではムハンマド皇太子は、「トルコとイランと過激派が、新しい悪の枢軸だ」と述べ、トルコをイランやイスラーム主義過激派と同等に扱い、かつトルコを筆頭に持ってきている(Al Shorouk紙、2018年3月7日付、1面および5面)。

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