イスラエルの戦闘機がイラン上空に飛来?

 国際政治や安全保障の専門家たちを一瞬色めき立たせる報道が、中東から発信された。イスラエルのエルサレム・ポスト紙によると、イスラエル空軍機のステルス戦闘機F-35が、イラン上空を偵察飛行したというのだ。

"Report: Israeli Stealth Fighters Fly over Iran," Jerusalem Post, March 29, 2018.

 エルサレム・ポストの記事は、3月29日のクウェートのアラビア語紙アル=ジャリーダ(Al-Jarida)の報道を引用する形で、2月中に2機のイスラエル空軍の戦闘機 F-35 Adirが、シリア・イラク上空を通ってイラン領空に侵入し、ホルムズ海峡の要衝バンダレ・アッバース港や、イスファハーン、シーラーズなどの上空を飛行したと報じている。

 この報道が事実に基づくなら、イスラエルによる単独での、あるいはトランプ政権の黙認あるいは支援の元での、対イラン攻撃の前触れか、と注目を集めるのも当然だろう。あるいはシリアの上空の通過の際に、ロシアが配備した防空システムのレーダーは機能したのか、あるいは意図的に機能させなかったのか、等々、関心事は尽きない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。