中東―危機の震源を読む (95)

中東メディアの「情報源」の読み方 イスラエル空軍F-35はイラン領空を飛んだか

執筆者:池内恵 2018年3月31日
エリア: 中東

イスラエルの戦闘機がイラン上空に飛来?

 国際政治や安全保障の専門家たちを一瞬色めき立たせる報道が、中東から発信された。イスラエルのエルサレム・ポスト紙によると、イスラエル空軍機のステルス戦闘機F-35が、イラン上空を偵察飛行したというのだ。

"Report: Israeli Stealth Fighters Fly over Iran," Jerusalem Post, March 29, 2018.

 エルサレム・ポストの記事は、3月29日のクウェートのアラビア語紙アル=ジャリーダ(Al-Jarida)の報道を引用する形で、2月中に2機のイスラエル空軍の戦闘機 F-35 Adirが、シリア・イラク上空を通ってイラン領空に侵入し、ホルムズ海峡の要衝バンダレ・アッバース港や、イスファハーン、シーラーズなどの上空を飛行したと報じている。

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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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