金正恩「電撃訪中」裏事情(上)合致した北朝鮮と中国の「利害」
2018年4月3日
最初に「異変」が探知されたのは、中朝国境沿いの中国の都市「丹東」だった。北朝鮮からの入口になる丹東駅に、3月第4週(18日からの週)頃から巨大な遮断幕がつくられ始めたのだ。中国側から鴨緑江の向こう側、すなわち北朝鮮側が見えないようにする工事だった。
これをいち早く伝えたのは、韓国の北朝鮮専門ネット新聞『デイリーNK』だった。丹東駅に強大な遮断幕がつくられ、丹東駅周辺が3月25日に全面的に統制されて「金正恩(キム・ジョンウン)が中国を訪問した」という噂が広がっている、と3月26日午後3時44分に伝えた。25日午後10時頃には、丹東駅を含め鴨緑江大橋(中朝友誼橋)付近が全面的に封鎖されたとし、その後、2台の列車が通過して瀋陽方面に向かったと報じた。
また、その3日ほど前から北朝鮮軍所属とみられる船舶が中朝友誼橋付近に待機している様子が捉えられたとも報じた。
日本メディアで最初に報道したのは『日本テレビ』で、3月26日夕方のニュースの最後に「“北の列車”北京到着か 要人乗る可能性も」とし、「北京に北朝鮮からのものとみられる列車が、ものものしい警備の中、到着する様子をカメラが捉えた」と報じた。列車は緑の車体に黄色のラインが入った21両編成で、2011年に金正日(キム・ジョンイル)総書記が訪中した時に乗っていた列車と極めて似ていると分析した。
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