金正恩「電撃訪中」裏事情(上)合致した北朝鮮と中国の「利害」

3月26日、北京駅に到着した金正恩党委員長(中央左)と李雪主夫人(同右)[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事
最初に「異変」が探知されたのは、中朝国境沿いの中国の都市「丹東」だった。北朝鮮からの入口になる丹東駅に、3月第4週(18日からの週)頃から巨大な遮断幕がつくられ始めたのだ。中国側から鴨緑江の向こう側、すなわち北朝鮮側が見えないようにする工事だった。
これをいち早く伝えたのは、韓国の北朝鮮専門ネット新聞『デイリーNK』だった。丹東駅に強大な遮断幕がつくられ、丹東駅周辺が3月25日に全面的に統制されて「金正恩(キム・ジョンウン)が中国を訪問した」という噂が広がっている、と3月26日午後3時44分に伝えた。25日午後10時頃には、丹東駅を含め鴨緑江大橋(中朝友誼橋)付近が全面的に封鎖されたとし、その後、2台の列車が通過して瀋陽方面に向かったと報じた。

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