アメリカが大恐慌に陥る
2018年4月26日
第1次世界大戦後の1920年代、アメリカは、重工業の発展、モータリゼーションと自動車工業の躍進、ヨーロッパへの輸出の増加などによって、「永遠の繁栄」と呼ばれる好況を手に入れた。1929年9月3日、ダウ平均株価は、381ドル17セントという史上最高値を記録した。
破局は、1929年10月24日に訪れた。株式市場は1日の下げ幅として最大の下落を経験した。寄り付きから数時間で、ダウ平均株価は、20%急落した。この日は、「ブラックサーズデイ」と呼ばれる。
翌25日、ウォール街の大手株仲買人と銀行家たちが行動を起こした。ノミ・プリンス『大統領を操るバンカーたち』(早川書房、2016年)によると、「ビッグシックス」と呼ばれる大銀行の経営者たちが、JPモルガン本社に向かった。1907年にJPモルガンが市場を救ったのと同じことを目論んだのだ。
市場に資金を注入する必要があった。そのために、彼らは、自分の顧客の預金を使った。こうして、銀行関係者から大量の買い注文が入り、ダウ平均株価は2%の下落で引けた。
しかし、これで問題が解決したわけではなかった。
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