マネーの魔術史 (48)

アメリカが大恐慌に陥る

執筆者:野口悠紀雄 2018年4月26日
エリア: 北米
(C)AFP=時事

 

 第1次世界大戦後の1920年代、アメリカは、重工業の発展、モータリゼーションと自動車工業の躍進、ヨーロッパへの輸出の増加などによって、「永遠の繁栄」と呼ばれる好況を手に入れた。1929年9月3日、ダウ平均株価は、381ドル17セントという史上最高値を記録した。

 破局は、1929年10月24日に訪れた。株式市場は1日の下げ幅として最大の下落を経験した。寄り付きから数時間で、ダウ平均株価は、20%急落した。この日は、「ブラックサーズデイ」と呼ばれる。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top