ほとんど唯一の「実績」だった大型減税だったが……(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 現在、召集されている第115議会第2会期で、ドナルド・トランプ大統領はインフラ整備関連法案の成立を米議会に対して求めている。トランプ大統領は先般も2016年大統領選挙で勝利した中西部のオハイオ州で遊説し、インフラ整備推進の必要性を強く訴えた。だが、さらなる財政赤字拡大をもたらす同法案の成立に向けた求心力は、与党・共和党内においても働いていない。そのため、第115議会でトランプ政権が成立を目指す他の主要法案が可決される可能性は、益々低下してきている。そうした状況ではあるが、今年11月6日に投票が行われる2018年中間選挙まで半年あまりとなった。

 立法面での成果に対する期待が低下する中、トランプ政権と与党・共和党が中間選挙キャンペーンで上下両院での多数党の立場を引き続き維持するべく有権者に支持を訴えるための具体的成果は、2017年12月に成立した「税制改革法」の柱の1つである減税の効果である。

 医療保険制度改革関連法(通称、オバマケア)の見直し法案の成立につまずいたトランプ政権と議会共和党は、当初は成立が困難と見られていた「税制改革法」を成立させ、第2期レーガン政権当時の1986年以来実に31年振りに大幅な税制改正を導入することに成功した。その結果、今年から連邦法人税については従来までの35%から21%に引き下げられるとともに、個人の連邦所得税についても引き下げられることになり、堅調に推移している米国経済にさらにプラスの影響がもたらされることが期待された。

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