出たばかりの論文の紹介もう一本。今度は、サウジアラビアのムハンマド皇太子を発信源として昨年から急速に広まりつつある「1979年以前のサウジアラビアは宗教信仰は穏健で外国に対して開明的だった」という説を検討したもの。これについての分析を、一般財団法人中東協力センターが発行する『中東協力センターニュース』4月号に寄稿しました。中東協力センターのウェブサイトから無料でダウンロードできます。

池内恵「ムハンマド皇太子と『1979年以前のサウジアラビア』」『中東協力センターニュース』2018年4月号, 28 −41頁

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ここでは、ムハンマド皇太子の発言だけでなく、これを世界に広める際に大きな役割を果たしている、『ニューヨーク・タイムズ』のトマス・フリードマンに着目しています。

フリードマンが中東の有力政治家、特にサウジ王政による政治言説の発信に深く関わってきた経緯については、近刊の新潮選書『シーア派とスンニ派』で遡って掘り下げてあります。

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