この人の判断にエネルギー関係者は注目している(C)AFP=時事

 

 4月20日、「トランプさんの早朝ツイート:OPEC(石油輸出国機構)が人為的に石油価格を釣り上げている、だって。このツイートは、テレビで何を見て、あるいは、誰から何の話を聞いて、呟いたものだろうか?」と、ドナルド・トランプ大統領のツイートを筆者のフェイスブックでシェアした。

 続いて、4月23日に当欄にアップした「『サウジアラムコ』内部評価でも企業価値『2兆ドル』に及ばず」の中で、「昨今の油価上昇には、中東における軍事衝突の可能性を含む政治不安がもたらす地政学リスクが織り込まれており、その地政学リスクの多くを生み出しているのは当のトランプ大統領なのだが、ガソリン価格が急上昇すると中間選挙に不利だ、と判断してツイートしたのだろうか」とコメントした。

 トランプ大統領の、あのツイートの真意は何だったのだろうか?

 筆者は、主義、主張、哲学、思想、持論、信条などの類を一切持たないトランプ大統領は、それがゆえに「予測不可能」なのだが、人心の動きを察知する能力は高いのだろうと判断している。そのトランプ大統領が、サウジアラビア(以下、サウジ)のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の神経を逆なでしてでもこう呟かざるを得なかった背景には、何があるのだろうか。

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