なんともそっけない感じ(C)AFP=時事

 

 エマニュエル・マクロン仏大統領とアンゲラ・メルケル独首相が相次いで訪米した。マクロン大統領は4月23日から3日間の、メルケル首相は4月27日だけの訪問である。マクロン大統領は4月19日のドイツ訪問に引き続いての外遊であり、また、メルケル首相は新たな首相就任挨拶としての訪問であった。

 むろん、仏独の両首脳が相次いで訪米するにはわけがある。ドナルド・トランプ米大統領はこの後訪英が予定されているから、テリーザ・メイ英首相も加えれば仏独英の3首脳が相次いでトランプ大統領と話し合いをすることになるわけだ。

欧米間にある多くの喫緊の懸案

 欧米関係は現在、懸案が目白押しである。まず、何と言ってもEU(欧州連合)に対する鉄鋼、アルミ製品の米国関税引上げの問題がある。5月1日に引上げ猶予期限が切れる予定だったが、4月30日、米国はこれを5月末まで延長すると発表した。この問題は現在、米、EU間における貿易戦争の観を呈しつつある。

 また、イラン核合意からの離脱に関して米が最終決定する期限が、5月12日に迫る。4月30日にはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、イランは秘密裏に核開発を継続していると公表したが、これについてトランプ大統領がどう判断するか注目される。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。