日本人の良識としての麻(大麻)栽培

執筆者:医療ガバナンス学会2018年5月7日
テントウ虫がくっつく麻の葉(筆者提供)

 

【筆者:若園和朗・日本麻協議会事務局代表】(詳細プロフィールは本文末尾に)

 先日、日本の麻(大麻)の伝統継承を求める私たちにとって嬉しい知らせが届きました。三重県が「伊勢麻振興協会」に対して神事に使う大麻の栽培許可を出したというニュースです。

 前年の申請では許可されませんでしたが、防犯対策を充実させたことや使用する神社を限定したことなどを踏まえ、今回は「伝統継承など合理的な必要性がある」と判断されたと報道されました。(注1、本文末尾に、以下同)

 大麻について、逆風となる悪い出来事が続く中、勇気をもって許可に踏み切った鈴木三重県知事と県関係者の皆様に感謝を申し上げると共に、困難を乗り越え粘り強く許可申請を申し出た「伊勢麻振興協会」に敬意を表します。

区別しないことの不合理

 さて、皆さんもご存じのように大麻は、ともすると乱用される植物です。しかし、日本で古来より栽培されている大麻は、有害物質であるTHCの含有率が低い乱用できない品種だと言われています。そのため、日本人は戦前まで乱用することなく普通の作物として生活に役立て、素晴らしい文化を築いてきました。(注2)

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