ギニアビサウでパトロール活動を行うECOWAS兵士 (C)AFP=時事

 

 私が実施団体代表者となって外務省委託「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を始めてから10年以上がたつ。事業修了生の多数が国連システム内で活躍しており、成果を出しているとして、評価してもらっている。

 だがもともと日本人国連職員の数は非常に少ないので、近年の伸びにもかかわらず、まだまだ望ましい水準に達しているわけではない。特に、非常に多くのポスト数が存在しているPKO(平和維持活動)やSPM(特別政治ミッション)における日本人国連職員の少なさは、深刻だ。そもそも専門的に関心を持っている人が少なかったり、関連した経験を持っている人が少なかったりすれば、伸び悩むのはやむを得ない。

ドイツの飛躍的な伸び

 国連のPKOやSPMのような平和活動に専門的関心を持つ日本人が少ないことは、1つの大きな問題である。もっとも、関心を持っていても入りにくいのが平和活動の分野だ。そこには、関連した業務経験を積みにくいという事情がある。

 まず、日本政府があまり本格的に国際平和協力活動を行っていないので、日本政府の活動を通じて平和活動に関連した業務経験を積むことが難しい。さらに、日本は地域機構に属していないため、国連以外の国際機構で、平和活動関連の業務経験を積むことが難しいことも、大きな要素だ。

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