ジョン・マケインの「荒野の決闘」

執筆者:名越健郎2008年8月号

 米共和党の大統領候補者、ジョン・マケイン上院議員(71)は“Maverick John”(一匹狼のジョン)と呼ばれる型破りな人物だ。 海軍士官学校に入ったものの、成績は悪く、ボクシングに熱中し、短気で乱暴な性格。平均以下のパイロットで、何度か墜落事故を起こした。 ベトナム戦争中の1967年、ハノイ空爆中に撃墜され、腕や足を骨折して捕虜に。拷問も受け、計5年半北ベトナムで捕虜生活を送った。内政では穏健派ながら、外交・国防はタカ派で、「イラクへの米軍恒久展開」を主張したこともある。 25年間連邦議員生活を送り、大統領候補としては最高齢。フレッシュなバラク・オバマ民主党候補(46)に比べて鮮度が落ちる。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(2月6日付)は大統領選をジャンケンにたとえ、「オバマはパー、マケインはグー、ヒラリーはチョキ」と書いていたが、現状ではオバマ候補に包み込まれる恐れがある。 米国務省のコンピューターで、オバマ候補の旅券記録を盗み見た職員が解雇された。 米国防総省のコンピューターで、マケイン候補の南北戦争従軍記録を盗み見た職員が解雇された。 記者団がオバマ、マケイン両候補に質問した。

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