シャイアーの買収について、記者会見する武田薬品工業のウェバー社長 (C)時事

 

 まるでデジャビュである。武田薬品工業がアイルランドの製薬会社シャイアーを、自身の売上高の4倍である460億ポンド(約6兆8000億円)で買収する。2006年に米原発大手のウエスチングハウスを約6400億円で買収した東芝は、これが原因で債務超過にまで追い込まれた。日本企業はなぜ、無謀な海外買収を繰り返すのだろう。

返済に34年

 買収が発表された翌5月9日の東京株式市場で、武田株は一時、約5%(225円)安の4413円まで急落。財務負担を警戒した売りが相次ぎ、終値は前日比109円(2.35%)安となった。

 格付け機関のムーディーズ・ジャパンは9日、武田薬品工業の発行体格付けを「A1」から「A2(シングルAに相当)」に1段階引き下げ、「A2をさらに格下げ方向で見直す」とした。S&Pグローバル・レーティングも武田の長期と短期会社格付けを引き下げ方向で見直す「クレジット・ウオッチ」に指定した。「資金調達次第で最大2段階引き下げる可能性がある」としている。

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