昨年11月に協調減産の延長を決めた会議でも並んで会見していた(左がロシアのノヴァク、中央がサウジのファリハ各エネルギー大臣)(C)EPA=時事

 

「100年前の今月、ペトログラードのロシア・バルチック艦隊はボルシェビキ政権に退陣するように呼びかけた。1917年の革命を軍事的に支持した船乗りたちはすでに幻滅し始めていた。今週、再びサンクトペテルブルクと呼ばれているこの街で、ロシアとサウジアラビアの両国エネルギー大臣が、かつて熱烈に支持した戦略行動が同じように行き過ぎだったのかどうか協議した」

『フィナンシャル・タイムズ』(FT)のエネルギー編集長であるエド・クルックスは、毎週末に報じているレビュー記事を、今週末は「The week in energy:OPEC plans higher price」(2018年5月26日)として、このように書き出している。筆者のきわめて個人的な評価だが、石油市場の動静という横軸に、歴史という縦軸からの影を投影するこの描き方は、記事の導入部分としては見事としか言いようがない。

 そう、サウジアラビア(以下、サウジ)とロシアの両エネルギー大臣は、来月22日に予定されているOPEC(石油輸出国機構)総会と、続けて開催予定の非OPECとの大臣級会合に向けて、地ならし作業を始めたのだ。

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