ロナルド・シュミット(ベネズエラ、AFP通信)、2017年5月3日(カラカス・ベネズエラ)

  

 燃え盛る炎が今にも男を飲み込もうとしている。必死に逃げる男。その顔がガスマスクで覆われているのは、どういう訳か——。

 この写真、東京都写真美術館で開催される「世界報道写真展2018」(6月9日~8月5日まで)の目玉作品なのだが、一見しただけでは、何時、何処で、何を撮影したものなのか分からない。

 かつては「即時性」と「分かり易さ」が1番に求められた「報道写真」に、変化が起きている。スマホとSNSを使えば、誰でも「カメラマン」になれる今日、改めて問われているのが「報道写真とは何か」ということだ。

約7万3000点から選りすぐりの160点

 世界報道写真財団(オランダ・アムステルダム)が毎年、行っている「世界報道写真コンテスト」の入賞作品を披露する同展は、今年で61回目。アムステルダムを皮切りに約45の国と地域を巡回し、日本では2002年から同展を開いてきた東京都写真美術館の他、4ヵ所を回るという。

「今年は125の国と地域から4548名が参加し、約7万3000点の応募がありました」

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