福岡市の板付遺跡。水田稲作を選択したのは縄文人だった?(筆者撮影、以下同)

 

 連載もいよいよ100回だという。約8年、良くここまで続いたものだと思う。編集長・内木場重人氏、前編集長・安河内龍太氏の御尽力のおかげだ。

 そこで記念すべき今回のテーマは、ずばり「国際人のための古代史」にする。初心に戻り、日本人の正体を世界の人びとに説明するためのヒントを、まとめておこう。

守り通した「多神教信仰」

 日本人は、日本の歴史に無頓着だ。「なぜ天皇を推戴しているのか」「神道とは何か」と聞かれても、答えることはできないだろう。これでよいわけがない。

 日本人は不思議な民族だ。たとえば人口に占めるキリスト教信者は1%前後と、きわめて少ない。これは、世界的にも、異常な数字で、原因は、「自覚のない信仰」に求められそうだ。

 海の外から見ると、日本人は頑なに、三つ子の魂を守りつづけているように映るらしい。コア(核)がしっかりとして揺るがないというのだ。

 じつは日本人は、「地球上からほぼ絶滅しかけている多神教徒」なのだ。これがじつに重要な意味を持っている。先進国の中で多神教的発想を守りつづけた日本は、異端の存在だからだ。

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