開幕式典では蔡英文総統も挨拶に立った

 

 鄭問(チェン・ウェン)という台湾の漫画家を、読者の皆さんは覚えているだろうか。1990年に週刊『モーニング』の連載『東周英雄伝』で日本デビューし、筆のみによる独特な大迫力の画風から一世を風靡した。昨年3月、心筋梗塞のため、台湾で死去。58歳という早すぎる死に惜しむ声が相次いだ。

 その活躍を記念する展覧会「千年一問 鄭問故宮大展」が、6月16日から台北の国立故宮博物院で始まっている。

開幕式典に出席した2人の大物漫画家

 実は15日に開催された開幕式典に、日本から海を越えて2人の大物漫画家が出席した。『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじ氏と、『蒼天航路』作画の王欣太(キング・ゴンタ)氏だ。2人と鄭問氏の間にはどのような交流があったのだろうか。

 鄭問氏は1958年、台湾・桃園に生まれた。デザインを学んだ後、1980年代から台湾で漫画を発表するようになり、1990年から『東周英雄伝』『MAGICAL SUPER ASIA――深く美しきアジア』『始皇』などを週刊『モーニング』や月刊『アフタヌーン』(ともに講談社)で連載。当時、モーニング編集部は、国際漫画の導入に積極的に取り組んでいたという。

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