報復合戦はいつまで続くのか(C)AFP=時事

 

 7月11日(水)、ドナルド・トランプ大統領のおかげで原油価格が急落した。これでガソリン価格も下がるだろう。アメリカの庶民は幸せになるだろう……。

 と思うのは大間違いである。

 では、なぜ原油価格は急落したのだろうか。

 11日、米国の原油商業在庫が1260万バレル減少した要因もあり、NYMEXのWTI原油の下落率は北海ブレント原油の下落率より小さかった。それでも5%、バレルあたり3.73ドルも下落し、終値70.38ドルだった。ブレント原油は6.9%、5.46ドル下落し、終値73.40ドルだった。

 先物取引市場の役割の1つは「公正な価格形成」という点にある。

 幅広い、数多くの参加者がいるので、多くの人々にとって納得の行く価格に収斂していくものだからだ。

 11日の原油価格暴落の原因は、トランプ政権が中国からの輸入品に対し10%の追加関税を9月から賦課する、と発表したことにある。しかも2000億ドル規模である。ちなみに、米国の中国からの輸入は約5000億ドル、輸出は約1300億ドルである。

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