「全米オープン」では大批判を浴び、今回は賞賛と揶揄を浴びたミケルソン(筆者撮影、以下同)

 

 古(いにしえ)のゴルファーは、どんなふうにゴルフというゲームをプレーしていたのか? 世界中に諸説はあるが、かつてUSGA(全米ゴルフ協会)のライブラリーを訪ね、いくつか文献を広げてみたら、そこには興味深い記述がたくさんあった。

 その昔、ティグラウンドというものが、まだ存在しなかった時代。ゴルファーたちは、あるホールのグリーンでボールをカップに沈めると、そのたびに1本のクラブをパタンと倒し、「よし、次はあっちだ!」という具合に進行方向を決めていたそうだ。

 だが、そういう時代であっても、いやいや、どんな時代にも、「あるがままのボールを打つ」というゴルフのスピリッツは普遍であり、そのためにゴルファーは、ときとして身の危険に晒された。

 切り立った崖の下にボールが落ちていってしまったら、彼らは必死で崖下へ降り、何時間かかってでもボールを探し、ようやく発見したら、断崖絶壁の下から地上へ打ち上げようと試みては失敗し、文字通り、果てしない努力を続けていたらしい。

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