老川オーナーの辞任と自らへの処分を発表し、謝罪する石井球団社長(C)時事

 

 巨人軍は常に紳士たれ――。これはプロ野球読売ジャイアンツの創立者であり、初代オーナー・正力松太郎氏の遺訓だ。しかし今、その巨人は規律が大きく乱れている。

 7月17日、巨人は老川祥一オーナーの辞任を発表。不祥事続出に歯止めがかからない事態の責任を取る形で、自ら身を引いた。石井一夫球団社長と鹿取義隆GMら幹部4人にも報酬の自主返納などの処分が課せられるなど、高まる批判に対して、球団側は一応のケジメをつけたかったようだ。しかし、これだけでは残念ながら抜本的な問題解決に何1つ結び付きそうもない。

3年前に辞任したばかり

 ここまで立て続けに発生した不祥事を振り返ってみよう。7月8日、川崎市・ジャイアンツ球場のロッカールームから選手のユニホームを盗んだ窃盗容疑で、元巨人の野手・柿沢貴裕容疑者が逮捕された。前日に巨人側は柿沢容疑者が5月上旬から6月下旬にかけて1軍選手のバットやグラブなど約110点を盗み、売却していたとして契約を解除し、警視庁多摩中央警察署に被害について相談していたという。

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