新国立競技場の建設は進むが、サイバーセキュリティ対策は……(C)EPA=時事

 

「私たちが日常的に続けている調査活動によれば、世界のハッカーたちは最近、日本を格好の標的だと見ています」

 2018年6月、世界的に活躍するサイバーセキュリティ専門家のクマー・リテッシュ氏が、筆者にそんな衝撃の発言をした。5月に日本で新たなサイバーセキュリティ事業を立ち上げたばかりだった彼は、カンファレンスに登壇したり、企業との会議に出席するために、シンガポールから来日していたのだ。

 リテッシュはこれまで名だたる企業でサイバーセキュリティを担当してきた。大手会計事務所の「プライスウォーターハウスクーパース」(PwC)や「IBM」では技術・コンサルティングを担当。豪英資源大手「BHPビリトン」では、サイバーセキュリティ部門のトップを務めた。さらに、欧米の諜報機関でサイバー活動を担当していた元サイバー“スパイ”でもある。諜報機関時代には、サイバー戦争に対応するプログラムを作成したり、サイバー犯罪の捜査チームを率いていたという。

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