トランプ米大統領がツイッターで公開した北朝鮮の金正恩党委員長からの親書(左)とその英訳 (C)AFP=時事

 

 北朝鮮は、マイク・ポンペオ米国務長官が平壌を離れて5時間も経たないうちに外務省報道官談話を発表し、今回の米朝高官協議での米国側の姿勢を厳しく批判した。評価している米国側とは正反対の対応だった。

「非核化意志が揺さぶられる危険な局面」

 談話は「初の朝米高位級会談で現れた米国側の態度と立場は実に遺憾極まりないものであった」とし、「今回の初の朝米高位級会談を通じて朝米間の信頼はより強固になるどころか、むしろ確固不動であったわれわれの非核化意志が揺さぶられる危険な局面に直面するようになった」とした。

 そのうえで、「米国側はシンガポール首脳の対面と会談の精神に背馳してCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)だの、申告だの、検証だのと言って、一方的で強盗さながらの非核化要求だけを持ち出した」と非難した。一方で「情勢の悪化と戦争を防止するための基本問題である朝鮮半島の平和体制構築問題については一切言及せず、すでに合意された終戦宣言問題までいろいろな条件と口実を設けて遠く後回しにしようとする立場を取った」とした。

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