「駐日ロシア大使」が語る日露関係発展という「同床異夢」

執筆者:フォーサイト編集部2018年7月26日
6月21日、都内で講演するガルージン駐日ロシア大使 (C)時事

 

 ウラジーミル・プーチン大統領と安倍晋三首相による日露首脳会談は、5月26日に行われたもので通算21回目となった。第2次安倍内閣発足後の約5年半でこの回数とは、まるで同盟関係のような親密ぶりを思わせる。

 だが現実の日露関係は、期待と失望を繰り返すばかりで、会談の回数ほどの進展はあったとは言い難い。ロシアは日露関係をいったいどう認識しているのか、そもそもロシアは今の国際社会をどうとらえているのか――。

 こうしたロシアの「意図」について、キヤノングローバル戦略研究所が6月21日に開催したセミナーにおいて、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使が「5月の日露首脳会談後の二国間関係の展望」と題した講演の中で、きわめて率直に語った。

 ガルージン大使は1960年、モスクワ生まれ。1983年にモスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学を卒業後、旧ソ連外務省に入省。以後一貫して職業外交官としてのキャリアを積んできた。その間1983年から86年、1992年から97年、2001年から08年と3度にわたって駐日ロシア(旧ソ連)大使館に勤務し、またミハイル・ゴルバチョフ旧ソ連大統領の日本語通訳を務めるなど、「ロシアにおける対日政策決定に重要な役割を果たしている日本通」との評価がある。今年1月に駐日大使に任命され、3月に4度目の日本勤務として着任した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。