W杯ボールをあげた方ももらった方もご機嫌だったが……(C)EPA=時事

 

【ワシントン発】 7日間に及んだドナルド・トランプ大統領のベルギー、イギリス、フィンランドの欧州3カ国外遊(7月10~16日)は、いまも米国内外に様々な波紋を広げている。米国の同盟国批判が繰り返される一方、ロシアに対しては宥和的姿勢が鮮明になった米国大統領の外遊がこれほどにまで注目されたことはかつてなかったのではないだろうか。

 7月16日にヘルシンキで行われた米露首脳会談終了後の共同記者会見では、ウラジーミル・プーチン大統領もトランプ大統領も、ロシア政府による2016年米国大統領選挙への介入、トランプ陣営によるロシア政府との共謀について否定したが、とりわけ問題視されたのは、プーチン大統領が「非常に強くかつ強力に(extremely strong and powerful)」否定したことにトランプ大統領も同調したことであった。

 米国の諜報機関は、ロシア政府が介入したと2016年末にすでに判断を下している。それにもかかわらず、トランプ大統領は、米国の諜報機関に信頼を寄せているが、プーチン大統領にも同等の信頼を寄せていると世界に対して表明したのである。

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