ミケランジェロ:謎を持つ「未完の大作」と復活を遂げた「最新作」
2018年7月30日
イタリア・フィレンツェの《ダヴィデ》、サン・ピエトロ大聖堂の《ピエタ》、システィーナ礼拝堂の《天地創造》《最後の審判》、《サン・ピエトロ大聖堂クーポラ》《カンピドーリオ広場》など、彫刻、絵画、建築の各分野で誰もが知る大作を後世に残したルネサンスの巨匠ミケランジェロ・ブオナローティ(1475~1564年)。
彼はどの分野でもその才能をあますことなく発揮させ、存命中からすでに神格化されていたほどだったという。
実際、弟子であるジョルジョ・ヴァザーリ(1511~74年)は、自身が執筆した『美術家列伝』(初版は1550年)のなかで、「過去の者も当代の者も含め、あらゆる芸術家のなかで栄光を獲得し、他のすべてを凌駕し圧倒するのは、神のごときミケランジェロ・ブオナローティである」と述べている。加えて、「彼が君臨する領域は3つの芸術のうち1つだけではなく、これらすべてなのである」とミケランジェロの多才ぶりを称えるが、彼自身は「彫刻家」であることに誇りを持ち、絵画の仕事を受けたくないと、たびたび周囲にこぼしていた。
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