会社存続でも「会計監査制度」を根底から揺るがし続ける東芝「粉飾事件」
2018年8月2日
1年前の大騒動がウソのような静けさだ。粉飾決算で上場廃止の危機に直面していた東芝の話である。
解体された老舗メーカー
昨年は2017年3月期の決算を巡って監査法人の適正意見がなかなか得られず、決算発表が8月10日にずれ込んだ。今年は5月15日にすんなり決算を公表。昨年の巨額赤字で債務超過に陥っていたのを解消した。1年前に250円前後だった株価も100円近く上昇した。
一方で、世の中の関心は大きく低下している。
連日のように報じていたメディアの報道も激減した。今年6月27日に幕張メッセで開かれた株主総会には、わずか619人の株主しか集まらなかった。粉飾決算が発覚した2015年の総会には3100人を超す株主が集まっていたから、まったく「別の会社」の総会のようだ。
実際、この間、東芝はまったく「別の会社」になったとも言える。
東芝の連結売上高は2015年3月期は6兆6500億円に達していたが、2018年3月期は3兆9476億円。粉飾決算の「穴」を埋めるために、相次いで主力事業を売却したためだ。
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