自宅で勝利宣言を行ったカーン氏(C)AFP=時事

 

 7月25日投票のパキスタン総選挙は、往年の超人気クリケット選手イムラン・カーン氏(65)が率いる野党「パキスタン正義運動」(PTI)の勝利で幕を閉じた。同国の下院は定数342だが、選挙ではそのうち272議席を争い、残りの70議席は女性と非ムスリム枠として各党に比例配分される。PTIは今回、115議席を獲得し、第1党に踊り出たのだ。 

 ただ、下院の過半数は確保できていなかったため、8月中旬とされる国会での宣誓式までに無所属(13議席)や諸派議員を取り込んで、多数派工作を完了させねばならなかった。多くのメディアは開票直後から「カーン次期首相」としていたが、選挙での不正を訴える前政権党の「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」(PML-N、64議席)と「パキスタン人民党」(PPP、44議席)が共闘で合意。宗教政党連合である「統一行動評議会」(MMA、12議席)などが態度を明確にしていなかったため、事態はなお流動的だった。

 しかし、カーン氏が無所属議員や少数政党と協議を続けた結果、PTIのスポークスマンは7月30日、過半数の支持を得たと表明。議会で正式に首相指名を受ける見通しとなった。

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