野党支持者が次々に逮捕される一方、ムナンガグワ大統領の勝利に歓喜する人々

 

 1980年の独立以来37年にわたって国家を支配し、欧米メディアから「世界最悪の独裁者」などと言われた指導者の退任後、この南部アフリカの小国はどこへ向かうのだろうか。昨年11月にロバート・ムガベ氏(94)が事実上のクーデターで大統領の座を追われたジンバブエで7月30日、大統領選の投開票が行われた。選挙管理委員会は8月3日、クーデターで大統領の座に就いた現職のエマーソン・ムナンガグワ氏(75)が246万463票(得票率50.8%)を獲得して当選したと発表した。

軍が野党支持者に発砲

 大統領選には20人以上が立候補したものの、選挙戦はムナンガグワ氏と最大野党「民主変革運動(MDC)」のネルソン・チャミサ議長(40)の事実上の一騎打ちで、チャミサ氏の得票数は選管によると214万7436票(同44.3%)だった。

 チャミサ氏は、ムナンガグワ氏の与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)」による有権者の脅迫や票の水増しなどの組織的な不正があったと主張し、選挙結果の受け入れを拒んでいる。ジンバブエに入った国外の選挙監視団からも、選挙の公正さに対する疑念が表明された。

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