物議を醸す発言の多いイーロン・マスク氏(C)AFP=時事

 

 先週水曜日の8月8日、『フィナンシャル・タイムズ』(FT)は、サウジアラビア(以下、サウジ)の「公共投資基金」(PIF)が米国の電気自動車メーカー「テスラ」の株式を買い増ししたため、同社の株価は4.52%上昇し、357.20ドルになった、と報じた(Tesla share move higher on Saudi Arabia’s fund stake)。

 同記事によれば、「PIF」は情報開示を要求されない程度、すなわち3~5%にまで買い増ししており、投じた資金は17~29億ドルになる、とのことだった。

 これはサウジの長期的な「脱石油経済化」政策、すなわち「ビジョン2030」の一環か、と思い、続報を待っていたら、話は思わぬ方向に展開した。

 すなわち、同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が「420ドルで自社株を買い上げ、非上場化を検討している。資金は手当した」とツイッターで呟いたからだ。当然、同社の株価はさらに上昇した。

 本件は、同社の株式をショートしている複数の投資家が「相場操縦だ」としてマスク氏を訴える騒ぎになっている。管理当局である証券取引委員会(SEC)も調査に乗り出したと報じられている(Elon Musk sued by investors over proposal to take Tesla private.『NEW YORK POST』2018年8月11日)。

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