「防災省」設置は石破茂氏だけでなく、全国知事会も政府に要望している (C)時事

 

 災害大国日本は現在、危機管理政策の中に安心感を喚起するような善処が乏しい。国民が災難を被(こうむ)る社会的現象によって、毎度毎度コピーしたかのような犠牲と損害が発生している。発災の度に、犠牲や被害局限を約束する「危機管理体制とその活動の改善」が言われはするが、手立てを講じた成果が見られず、「またか」の印象が払拭できない。

 今、国民が求めているリーダーシップには、日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応できる優れたシビリアンコントロール、および、頻発する自然・人為災害に対処する最善の危機管理政策喫緊の実行が必要である。

 そのような中提起されたのが、石破茂元地方創生担当相の「防災省」設置である。

 一般的には、「また屋上屋を重ねることになる」と捉えられがちである。しかし、「防衛・安全保障」をはじめ、「危機管理」に抜きん出て優れた識見を有する石破氏が言い出すには、危機管理の規模・機能・運用上の具体的かつ、実現可能で合理的な「組織イメージ」があってのことであろう。

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