プーチン政権が憂慮するカザフスタンの「ロシア離れ」
2018年8月20日
ロシアのウラジーミル・プーチン政権はこの10年、ジョージア戦争やウクライナ介入など旧ソ連圏への膨張政策を進めたが、一方で、最大の同盟国である中央アジアのカザフスタンがロシア離れを進めている。グローバル化に乗って経済発展を目指すカザフと、国際的に孤立するロシアの外交路線の違いがあるようだ。ロシアはカザフの独走に警戒を強めており、8月12日のカスピ海沿岸5カ国協定などで、巻き返しに出ている。
カスピ海の基地を米軍が使用
筆者は最近来日したカザフ政府高官と一夜話す機会があったが、この高官はロシアとの関係がぎくしゃくしていることを認め、「カザフの若者の間では、ロシアが主導するユーラシア経済同盟(EAEU)からの脱退を求める声が強い」ことを明らかにした。
また、カザフ政府が昨年、カザフ語に使用する文字をキリル文字からローマ字への変更を決めたことについて、「ロシアはロシア離れだと反発するが、これは社会のデジタル化に対応するためだ。ソフト開発でキリル文字の場合ローマ字に比べて何倍もコストがかかる。国際スタンダードに合わせた」と指摘した。アゼルバイジャンやトルクメニスタンもすでにローマ字に変更している。
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