昨年5月に北京で開催された「一帯一路」会議。これだけの国が注目している。(C)AFP=時事

 

 1970年代末に鄧小平が最高権力を握ってから現在までの歴代中国共産党政権は、経済成長至上の道を驀進する一方で、権力と合体した特権層を生み出し、腐敗・不正を日常化させ、社会の格差と環境破壊をもたらすこととなった。前者をGDP(国内総生産)至上主義、後者を特権腐敗社会主義と呼んでおく。

 現実に庶民の日常生活が向上し国威発揚が図られているわけだから、GDP至上主義が悪であると糾弾できそうにない。その1例が今年の春節にブルネイで目にした光景――中国でも貧しい地方に属する広西チワン族自治区の住民までもが海外旅行を楽しめるようになっていた――であり、習近平政権が先進技術のさらなる革新を目指して掲げた「MADE  IN  CHINA  2025」だろう。

 この計画が先進技術による世界制覇を狙ったものだからこそ、トランプ政権が計画達成阻止に動いたとしても強ち不思議ではない。目下エスカレートするばかりの米中貿易戦争も、その一環だろう。

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