7月24日、最低賃金引き上げの目安について議論する中央最低賃金審議会 (C)時事
 

 今年も「最低賃金」の大幅な引き上げが固まった。厚生労働省の中央最低賃金審議会が2018年度の最低賃金の「目安」を7月24日に決定。これを受けて各都道府県の審議会が、地域別の最低賃金を正式に決めた。全国平均で時給を26円引き上げ874円とし、東京都は27円引き上げて985円になる。10月をめどに改定後の最低賃金が適用される。

「1000円」が目標

 安倍晋三内閣は最低賃金の中期的な目標として「1000円」を掲げてきた。2016年6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」では、最低賃金の「年3%程度の引き上げ」を盛り込んだが、それ以降、全国平均の引き上げ率は3年連続で3%を超えた。このままのペースが続けば、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、東京と神奈川の最低賃金が1000円を超えるのは確実な情勢になった。

 第2次安倍内閣が発足する前の2012年の最低賃金は全国平均で749円、東京都で850円だった。それ以降、毎年引き上げられ、この6年間で全国平均が125円、東京が135円上昇した。東京の最低賃金はこの6年で16%も上昇することになる。

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