驚異の視力6000!「アルマ望遠鏡」が迫る「惑星誕生」の謎

執筆者:フォーサイト編集部2018年8月24日
これで宇宙の彼方の電波を受信している (C)AFP=時事

 

 130億年前と言えば、宇宙が誕生してから8億年後のこと。もちろん地球も太陽もまだ存在していない。そんな遠い昔へ行ける「タイムマシン」があったら……。

 南米チリ・アタカマ砂漠の高地に建設された「アルマ」は、世界最大級かつ史上最高性能の電波望遠鏡だ。66台のパラボラアンテナを1つの巨大アンテナとして機能させることで、「視力6000」に相当する驚異的な解像力と桁違いの感度が実現。以前は観測不可能だった130億光年彼方まで観測することができる。

 2001年に日本の国立天文台と米欧の研究機関が建設プロジェクトを発足させ、22カ国・地域が参加のうえ、2013年に完成。本格的な科学観測が始まった。

 電波望遠鏡の特徴は、光学望遠鏡では捉えられない冷たく暗い世界を、それが発する電波を通して見られること。たとえば、マイナス250度という「星の材料」だ。新たな星は、以前に消滅した別の星の塵やガス、つまり残骸から生まれる。その残骸を「アルマ」で見たら、一体何が分かったのか。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。