成果が見込めず、としてポンペオ国務長官(左)訪朝を中止したトランプ大統領(右)(C)AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ米大統領は8月24日、ツイッターでマイク・ポンペオ米国務長官が計画していた4回目の北朝鮮訪問を中止するよう指示したことを明らかにした。ポンペオ長官は前日23日に記者会見し、次週の早い時期(8月26日の週の初め)に訪朝し、新たに北朝鮮担当特別代表に起用した米自動車大手フォード・モーターのスティーブン・ビーガン副社長も同行すると発表したばかりだった。わずか1日でポンペオ長官の訪朝が中止になった背景に何があったのか。ポンペオ長官の訪朝中止で、北朝鮮の非核化や米朝関係の行方は一気に不透明になった。

 トランプ大統領はこれに先立つ8月20日の『ロイター通信』との会見で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との2回目の会談の可能性を「最も高い」(most likely)と語っていただけに、ポンペオ長官の訪朝で停滞している非核化への動きと米朝関係の進展に筋道を付けることができれば、9月末には金党委員長が国連総会のために訪米し、トランプ大統領との2回目の会談が米国であるかもしれないという楽観的な見通しが浮上したが、こうしたシナリオが一気に白紙化した。

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