8月18日、ドイツ・メーゼベルクで行われたプーチン露大統領(左)とメルケル独首相(右)の会談。成果は? (C)AFP=時事

 

 8月18日、アンゲラ・メルケル独首相とウラジーミル・プーチン露大統領との今年2回目の会談が、ベルリンから北方60キロに位置する古城メーゼベルクで行われた。メーゼベルク城はドイツ政府が賓客接遇用に使っているところで、2010年6月には当時のドミートリー・メドベージェフ露大統領も来訪している。

 プーチン大統領はその日、メーゼベルクへの途上オーストリアに立ち寄り、シュタイアマルクの南に位置する、とある村のワイン居酒屋「チェッペ」で行われたカリン・クナイスル・オーストリア外相の結婚式に参列した。プーチン大統領が外国要人の結婚式に参列するのは異例である。クナイスル外相は無党派ながら極右政党で連立の一翼を担うオーストリア自由党の推薦で入閣した人物である。外相としてのクナイスル氏は親ロシアの姿勢を鮮明にしているし、何より、オーストリア自由党はフランスの国民連合やイタリアの同盟と並び、ロシアとの友好関係を誇る政党である。

 そういうクナイスル外相の結婚式への参列は、プーチン流のEU(欧州連合)分断政策の一環に他ならない。プーチン大統領は花嫁とダンスを踊ってみせ、EU議長国オーストリアとの関係の近さを印象付けた。もっとも、プーチン大統領は結婚式参列は「プライベートなことに過ぎない」と一蹴してはいるが。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。