成毛眞『amazon』肴に「アマゾン」を語る(上)
2018年9月4日

聴衆を前に大いに語る著者(講演会主催者提供)
この『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)という本ですが、ご承知のとおり、私はIT企業のマイクロソフトの出身ですから、ITに関する知識は少しはある。そういう立場で見ると、IT業界の人は、アマゾンはAWS(アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービス)だと思っているんです。逆に言えば、AWSをやっている会社がアマゾンだ、と。
一方で消費材を作っている会社とか流通業者から見ると、アマゾンはスーパーやコンビニと同じような小売業であって、「コンピューター関係のことなんてやってるの?」などと言う。感覚のいい人は両方やっていることは知っていますが、アマゾンがどんなことをしているのかについてご存じない方がかなりいっぱいいることに気がつき始めたんです。
例えば株式関係者からすると、アマゾンの株を買う買わないということではなく、アマゾンがM&A(企業の合併・買収)する対象の会社がどこなのか、アマゾンがこんな戦略を持っているからそれに該当する会社の株を先回りして買ったり空売りしよう、という対象なんです。
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