温暖化問題より、硫黄分による人体影響の問題から規制されるというが(FTサイトより)

 

 2年ほど前に確か『日本経済新聞』の論説委員のどなたかが解説していたが、長期的な原油価格は、天然ガスなど他のエネルギー価格と熱量換算で等価となるのでは、という考え方がある。理論的には正しいのかもしれない。だが、読者の皆さんが使用しているガソリン車が、安いからといってすぐに天然ガスに燃料転換することはできない、というのが現実だ。それぞれの燃料の持つ物理的特性と関連インフラの存在の有無が、価格のみを理由とする燃料転換を難しいものにしている。

 シェール革命が喧伝され始めたころ、IEA(国際エネルギー機関)は「天然ガス黄金時代」の到来を指摘した。天然ガスの供給能力が大幅に増加したからである。

 当時、アメリカでは原油価格が高騰する一方、シェールガスの増産が始まったため、天然ガス価格は低迷を続けていた。

 このように原油と天然ガスの価格差が大きいことから、供給に加え需要の面でも、石油からガスへのシフトが起こると期待されていたのだ。

 だが現実は、ある種の足踏み状態にある。

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