ラマポーザ・南ア大統領(前列左)やエルシーシ・エジプト大統領(2列目左から2番目)らアフリカ諸国の首脳に囲まれる習近平国家主席 (C)AFP=時事

 

 9月3、4日に北京で開催された第7回「中国・アフリカ協力フォーラム(FOCACⅦ)」首脳会議で、習近平中国国家主席が3年間で600億ドルのアフリカ向け経済支援を表明したことが、日本の大手メディアはもちろんのこと、ネットメディアでも話題になっている。

 アフリカ53カ国の首脳が北京で一堂に会する派手な演出や支援額の大きさがもたらすインパクトはあるものの、ほぼ四半世紀にわたってアフリカを見てきた者からすると、今回のFOCACに画期的な意味があるようには思えない面もある。ともあれ、「中国」というフィルターを通してだとしても、日ごろ注目を浴びにくいアフリカの問題に光が当たるのは喜ばしいことだ。本稿では、FOCACⅦの意味を3つのポイントから考えておきたい。

既成事実追認の「政治ショー」

 第1に指摘すべきポイントは、今回のFOCACⅦは、中国が今世紀に入って以降の十数年間にアフリカ各地でバラバラに進めてきた様々なインフラ建設や物流の拡大を、「一帯一路」構想という大きな青写真で括ってみせた「政治ショー」の側面が強いという点だ。

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