総選挙で躍進し、キャスティングボートを握った極右政党・スウェーデン民主党のオーケソン党首 (C)EPA=時事

 

 9月9日、スウェーデンで総選挙が行われ、極右政党「スウェーデン民主党」が躍進。いずれも過半数に達しなかった中道左派の「社会民主労働党」と、中道右派の「穏健党」を交えた連立交渉がこれから行われるが、その帰趨が注目される。

 10日現在、開票率は99%で、第1党の社会民主労働党が28.4%、穏健党が19.8%、スウェーデン民主党が3位につけ17.6%となった。この夏にはスウェーデン民主党が急速に支持を伸ばし、一時、第1党の社会民主労働党と支持率24%あたりで拮抗した。スウェーデン民主党はそのまま選挙で勝利するかとも見られたが、ここにきて支持率を下げ、結果的には20%を下回った。それでも、同党は前回選挙で議席を倍増させたのに続き、今回も、前回の12.9%から5ポイントも得票を伸ばす躍進ぶりを見せた。

 一方の政権党、社会民主労働党は30%を割り込み、第2次世界大戦以来最悪の結果となった。

 昨年来、ドイツ(2017年9月)、オーストリア(同年12月)、ハンガリー(2018年4月)、イタリア(同年5月)と続いてきたポピュリズムの躍進が止まらない。しかし、スウェーデンといえば福祉が行き渡り、人々は安定した暮らしを満喫していたのではなかったのか。スウェーデンで一体何が起こっているのか。

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