アラビア太郎「日の丸油田」に復活の兆し!

執筆者:岩瀬昇2018年9月14日
アラビア太郎こと山下太郎氏の功績は大きい(「山下太郎顕彰育英会」HPより)

 

 個人ブログ「岩瀬昇のエネルギーブログ」を開始して2週間ほど経った2014年10月30日、筆者は第5弾として「日の丸原油の象徴、カフジ油田生産停止」を書いた。同年10月18日に『ブルームバーグ』が報じていた内容を紹介し、筆者が1978年に現地を訪問した時、「カフジ正宗」なるものをご馳走になったエピソードなどを紹介したものだ。

 昭和天皇が「油に始まり、油に終わったようなもの」と述懐された太平洋戦争が終わってから約12年後、廃墟から立ち上がりつつある我が日本の「アラビア太郎」こと山下太郎が権益を確保し、1本目の試掘で奇跡的な成功を収め、爾来、2003年に利権を完全に失効するまでの間「日の丸原油」として高く評価された「アラビア石油」がかつて保有していたカフジ油田が「生産停止となった」というのである。カフジ油田とは、サウジアラビア(以下サウジ)とクウェートの中立地帯「カフジ」の沖合にある海底油田だ。

 筆者は、当該ブログを「関係者にとってはショッキングなニュースが静かに流れていた」と書き始め、「多彩な人材で形成されていたアラビア石油も昔日の姿はない。あの(「カフジ正宗」を製造した)A氏、いまはどうされているのだろうか?」と文章を終えている。

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