サイバー防衛隊のオペレーションルーム (C) 時事(防衛省提供)  

 

 今年に入ってから、サイバーセキュリティの強化に関連する安倍晋三首相の言動が、しばしばニュースになっている。

 2018年1月、安倍首相はIT大国と呼ばれるエストニアを訪問。同国にある「NATO(北大西洋条約機構)サイバー防衛協力センター」への日本の参加が承認され、サイバー分野の重要性について意見交換を行った。

 また4月には、自民党サイバーセキュリティ対策本部が提言書を提出した際、首相が「わが国はサイバーセキュリティーでも先進国とならなければならない」と語ったことが、報じられた。

 さらに8月には、年内に見直す「防衛計画の大綱(防衛大綱)」の議論を有識者懇談会で開始し、首相が初会合で「サイバーや宇宙空間など新たな領域で優位性を保つことが死活的に重要だ」と述べている。

 首相によるサイバー絡みの“積極的”な言動が続いたのは、これまであまり記憶にない。現在、防衛大綱の見直しやそれに基づく「中期防衛力整備計画(中期防)」の年内改定、東京五輪の開催などを巡って、日本で改めてサイバー攻撃が注目されている。そういった背景があると言える。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。