5月15日、シェアハウストラブルについての記者会見で頭を下げるスルガ銀行の米山明広社長(当時、右)ら (C)時事
 

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開する「スマートデイズ」などに対する杜撰な融資の実態が明らかになった「スルガ銀行」。第三者委員会調査報告書が9月7日に公表された。300ページを超える長い報告書を受け、メディアが大きく報じたのは凄まじいパワハラの実態だったが、本当に怖いのは、エリート行員たちが軽々とルールを破る寒々とした実態だ。その姿は2000億円超の粉飾決算に手を染めた東芝の社員たちとそっくりだ。

5000万円から1億円のローン

 まず「かぼちゃの馬車」問題をおさらいしておこう。スマートデイズという東京のベンチャーが展開していた「かぼちゃの馬車」はリビング、キッチン、バス・トイレ共用の部屋を女性限定で貸すシェアハウスだ。建設費用が安いのでアパートより家賃が安く、「地方出身の働く女性を応援する」という触れ込みだった。

 実際に物件を建設し所有するのはスマートデイズではなく、同社が募集したオーナーである。入居者集めや家賃の回収はスマートデイズが担当する。いわゆるサブリースである。オーナーたちは5000万円から1億円のローンを組むことになるが、スマートデイズは「月々の支払いは家賃収入で賄える」と説明し、資産運用に熱心なサラリーマンなどを取り込んだ。「シェアハウスは人気なので必ず満室になる」とも説明していた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。