生産者「ヘッジ率低下」需要者「ヘッジ強化」は「油価上昇」のサイン
2018年9月23日
OPEC(石油輸出国機構)とロシアを代表とする非OPEC産油国は本年6月の会合で、きわめて曖昧な形ながら実質100万BD(バレル/日量)の増産となるように、「7月1日以降、減産率を100%に戻す」と決定した(2018年6月22日「OPEC第174回総会コミュニケ」および6月23日「OPECと非OPECとの第4回合同大臣会議コミュニケ」参照)。
11月以降、対イラン制裁の第2弾として、イラン原油輸出の全面停止を目指すドナルド・トランプ大統領からの、増産して原油価格の上昇を防げ、との強い要請に、米国に近いサウジアラビア(以下サウジ)などが歩み寄った決定だ。
なぜこの決定が増産になるかと言えば、ベネズエラの政治混乱による大幅減産などの影響で、OPECが120万BD、非OPECが60万BD、合計180万BDと定めていた減産幅の順守率が、実績ベースでOPEC152%、非OPEC147%(共に5月)となっていたため、「100%に戻す」ことで数字上は「約100万BDの増産」が見込めたからだ(120万BD×52%+60万BD×47%=90.6万BD)。
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