合意書に署名し、握手する韓国の宋永武国防部長官と北朝鮮の努光鉄人民武力相 (C)AFP=時事

 

 今回の首脳会談で南北が合意した、軍事分野での緊張緩和に向けた合意は、韓国政府が「事実上の南北間の終戦宣言」というほど踏み込んだ内容だ。南北の経済協力が国連経済制裁の制約下で十分に機能しない反面、軍事的緊張緩和では付属文書の「板門店宣言履行のための軍事分野合意書」で、お互いが「いかなる場合も武力行使をしない」ことで合意した。

「9月平壌共同宣言」では、「軍事的緊張緩和のための画期的な措置が講じられるなど素晴らしい成果があったと評価した」とその意義を強調した。

 同宣言の第1項では「南と北は非武装地帯(DMZ)をはじめ対峙地域での軍事的敵対関係終息を朝鮮半島全地域での実質的な戦争の危険除去と根本的な敵対関係解消につなげていくことにした」とした上で、第1条項でこの会談で締結した付属文書の「板門店宣言履行のための軍事分野合意書」を「徹底して順守し誠実に履行し、朝鮮半島を恒久的な平和地帯とするための実践的措置を積極的に講じていくことにした」とした。

「事実上の南北終戦宣言」という軍事分野の合意

 その上で、第2項で「南北は、南北軍事共同委員会を速やかに稼働し軍事分野合意書の履行実態を点検し、偶発的武力衝突防止のための常時の意思疎通と緊密な協議を進めることにした」とし、今後は緊張緩和のために南北軍事共同委員会を通じて問題解決を図っていくことを確認した。

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