「安倍3選」で真価が問われる「アベノミクス」

執筆者:磯山友幸2018年9月26日
3選を果たしても、真価が問われるのはこれから…… (C)時事
 

 自民党総裁選は大方の予想通り安倍晋三・総裁が3選を果たした。安倍氏は早い段階から国会議員票の8割を固め、圧勝が予想されていたが、石破茂・元幹事長が党員票の45%を得るなど予想以上に善戦し、「安倍批判」がジワリと広がっていることを示した。

反発が表れた党員票

 国会議員票402票(無効票3票を除く)のうち安倍氏は82%に当たる329票を獲得、石破氏は73票だった。事前に態度を明らかにしていなかった議員の多くが石破氏に投票。動向が注目された小泉進次郎・筆頭副幹事長も石破氏に投票した。マスコミなどの事前予想よりも20議席近くを積み増した。

 安倍氏は選挙前、自民党の会合で、「6年前は谷垣禎一総裁の出馬断念があったが、今回はよーいドンで新しく総裁を選ぶのとは違う。現職がいるのに総裁選に出るというのは、現職に辞めろと迫るのと同じだ」と述べていた。半ば“恫喝”にも聞こえる発言だったが、それでも2割近い議員が現職に反対票を投じた。安倍氏の発言を「強圧的」と感じて、反発した議員も多い。

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