捕捉を逃れようとする「幽霊タンカー」が増えているというが……(写真はイメージです)(C)時事

 

 2年間のテヘラン勤務経験がある筆者も、「イラン人とはどんな人々ですか?」と聞かれることがある。もう20年近く前の経験だが、国民性というものはそう簡単に変わるものではないだろうから、筆者の見方は今でも有効なのではないだろうか。

 筆者の回答はこうだ。

「交渉テーブルの同じ側に座っていると、これほど頼もしいことはないが、反対側に座っていると、これ以上憎たらしいことはない人々、恐ろしいほどに交渉上手な国民だ」

 たとえば借りている家の大家との交渉で、嫌な思いをした日本人ビジネスマンは多い。仕事上でも、煮え湯を飲まされた人がたくさんいる。

 2~3年間のイラン駐在をした、交渉事にナイーブな日本人ビジネスマンの多くのホンネは、「もう2度と赴任したくない」というものではないだろうか。

 ちなみに、イラン赴任前に、欧米、中華圏などにも駐在経験がある筆者は、ペルシャ商人の才覚に感嘆する例外グループに属している。

 1979年のイラン・イスラム革命前のシャーの時代、イランはイスラエルや南アフリカに秘密裏に原油を販売していた。

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